自然と一体化するデザイン:センヤキャビン

ハンス-ペッター・ビョルナダールが描く風景との調和

ノルウェーの壮大な自然を一望できる家、それが「センヤキャビン」だ。デザイナー、ハンス-ペッター・ビョルナダールが、サーミ人の古代の建築技術を現代に蘇らせ、自然と調和する住空間を創り出した。

センヤキャビンは、小さな漁村、ハムン近くに位置する。ここに、クライアントは家族と過ごすためのコテージを望んだ。その要望は、センヤの壮大な山々と自然をパノラマで一望できること。そんな美しくも繊細な風景の中で、自然と共に生きるプロジェクトを創り出すことが求められた。

ビョルナダールは、サーミ人の古代の建築技術、特に「ヘラー」という技法に着目した。これは、サーミ人が大きな岩の下に小屋を建て、避難所とするというものだ。この技法を現代の建築に取り入れることで、山々に自然に溶け込むような形状の建物が生まれ、大きなパノラマウィンドウを設けることが可能になった。

キャビンの外観は、周囲の自然に溶け込むように、木製のファサードにダークグレーの塗装が施されている。窓は木製/アルミ製で、厳しい冬の嵐から守るための鋼製のディテールが施されている。また、主要な入口は建物の中に掘り込まれており、リラックスできる遮蔽空間を提供している。

内部は、壁に松の板、床にオーク材、天井には45x45の木製スラットが使用されている。これにより、暖炉でくつろぐための暖かく居心地の良い雰囲気が生まれている。ダイニングテーブルでは、家族が集まり、山々を一望するパノラマビューを楽しむことができる。内部と外部の境界がぼやけ、光と風景に合わせて空間が変化する。

このプロジェクトは、2021年にA'建築、建物、構造デザイン賞のブロンズを受賞した。これは、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込み、強力な技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にするという、優れた創造性と独創性を持つデザインに授与される賞だ。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hans-Petter Bjørnådal
画像クレジット: Image 1-5 Photographer: Hans-Petter Bjørnådal
プロジェクトチームのメンバー: Hans-Petter Bjørnådal
プロジェクト名: Senja
プロジェクトのクライアント: Hans-Petter Bjørnådal


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